ルノワール展(京都市立美術館)

京都市立美術館のルノワール展へ行ってきました。正直なところまもなく東京の国立新美術館のルノワール展のほうが見たい作品が多いのですが、それでも「同時代の女性」コーナーはとても面白かったです。モデルのニニ・ロペスさんいいです。

京都市立美術館では3月1日からモネ展が始まりましたが、19日からはルノワール展も始まりました。その結果、京都市立美術館の春はモネ展とルノワール展の同時開催という贅沢なことになっています1

初日の19日がちょうど土曜日ということで、モネ展に続きルノワール展も初日に行ってきました。見たいと思っていた作品を見られただけでなく、自分が思っている(好きな感じの)作品がルノワールの作品全体の中のごく一部だということを認識できたのも良かったです。ルノワールって作品イメージ幅が広いですね。

ルノワール展

ルノワール展は、全体で5章の展示にからなっていました。

  • 第1章:子どもと少女
  • 第2章:身近な女性たち
  • 第3章:同時代の女性たち
  • 第4章:浴女と裸婦
  • 第5章:デッサン・彫刻・版画

この作品群で一番良かったのは「身近な女性たち」と「同時代の女性たち」の部分です。やっぱりルノワールの絵だなと感じ、見ていて優しい気持ちになれます。

身近な女性たち

「身近な女性たち」となっていますが、この章の主人公はなんと言ってもガブリエルさんです。ガブリエルさんは、ルノワール夫人の親戚で16歳の時にルノワール家に手伝いのために来て、その後長くモデルも務めたそうです。

面白かったのは、「りんごを持つ子どもまたはガブリエル、ジャン・ルノワールと少女」(No. 9)と「おもちゃで遊ぶ子ども、ガブリエルと画家の息子ジャン」(No. 10)です。どちらも同じ時期(1895−1896年)に制作された作品で共にガブリエルさんが描かれていて、ガブリエルさんの素朴な感じが伝わってくるようです。

ただその二枚では描かれているガブリエルさんの年齢がだいぶ異なるように思えました。No. 10では少女らしい感じがあるのに対してNo. 9はもっと大人な感じに思えました。最初子どもの母親なのかと思ったほどです。

この章では、この他にもガブリエルさんがモデルになった作品がたくさんありました。

同時代の女性たち

この章が一番私の思うルノワール的作品が多かったです。

「うちわを持つ女」(No. 23)も良かったのですが、「猫を抱く女」(No. 19)が良かったです。キジトラの猫もかわいいのですが、モデルのニニ・ロペスさんがいい感じです。このモデルさんは、時間に正確で控えめな性格でルノワールお気に入りのモデルさんだったそうです。

面白かったのは、多くの作品で誰がモデルを務めたか同定されていることでした。肖像画や家族がモデルを務めるならば同定されていても不思議はありませんが、その他でもモデルさんの名前がわかっているのは驚きでした。

「昼食後」(No. 21)に解説があったのですが、この絵で食後酒を楽しんでいる女性はエレン・アンドレさんという女優だそうです。この方は他にもルノワールの「舟遊びをする人々の昼食」やドガの「アプサントを飲む人(カフェにて)」にも登場しているのだそうです。

ドガの「アプサントを飲む人(カフェにて)」は、有名なので絵を知っていましたが、てっきり実際のカフェで写生をして作品にした絵だと思っていたので、モデルを使って演出していたとは驚きでした。

あと「桟敷席」(No. 22)は、ボール紙にパステルで描いた作品でデッサンのような未完成な感じはありますが、うっとりと舞台を眺める女性の感じが伝わってくるようでした。

子どもと少女

ここで一番有名な作品は「草原で花を摘む少女たち」(No. 4)でしょうか。いかにもルノワールの絵だという感じです。それと「白いエプロンのリュシー・ベラールの肖像」(No. 2)も見たことがある気がします。

この中で私が気に入ったのは、「かぎ針編みをする少女」(No. 1)です。肌の色や線の感じが硬いというかルノワール的ではありませんが、光が当たる感じの表現が気に入りました。この絵のモデルさんは、前出のニニ・ロペスさんだそうです。髪型が違うからなのか、No. 19の感じとだいぶ違うように思えました。

浴女と裸婦

ルノワールは印象派に分類されていますが、作風は時代と主にだいぶ変化していきます。私が思い描くルノワールの作品というと、子供や女性の肖像画、その時代を写した風俗画的な絵をイメージします。しかしすっかり忘れていましたが、最初にルノワールの名前を聞いた(美術の教科書に載っていた?)のは入浴するふくよかな女性の作品だったような気がします。

デッサン・彫刻・版画

デッサン・彫刻・版画となっていますが、ほとんどはデッサンでした。

デッサンに用いる筆記具は黒いものばかりだと思っていましたが、赤茶色のチョークで描かれたものは黒より柔らかい感じがしますね。色の選択は単にその時の気分なのか、一般的に使い分ける基準があるのでしょうか?

たぶん美術に詳しい人に解説してもらいながら鑑賞したらもっと興味が湧くのだと思いますが、デッサンの見どころを分かっていないのでこの作品群は今ひとつ興味がなかったかな。

混雑状況

ルノワール展

19日(土曜日)午前の混雑状況は、初日だからか土曜日にもかかわらず、チケットの購入と入場共に全く待ち時間無しでした。

モネ展

同時開催のモネ展の方は、チケットの購入に20分ほどかかると案内していましたが、入場待ちはありませんでした。前売りチケットを買っておくのが割引もあるのでお得ですね。

京都染色美術協会展

美術館の二階では、京都染色美術協会による展覧会が行われていました。

染色協会が何か全く知りませんでしたが、テーマが「振り袖」ということで「入場無料」ということもあり綺麗な着物を見られるかと期待して見学させてもらいました。

私が思い描く着物よりも斬新なデザインや織り方(?)をしたものもありましたが、全体的には淡い色合いの春らしいものが多かった気がします。普段成人式や卒業式で着られているような彩度の高い柄よりも、私はこおいう淡い色合いの着物の方が好きかな。

しかし綺麗な着物と思いながらも、いったいいくら位するのかという疑問も浮かんでしまいました。手織りという札が付いていて、染も手作業でしょうから三桁万円とかするのでしょうか?

参照と脚注

  1. 東京の国立新美術館でも2016年4月からルノワール展が開催されます。京都市立美術館のルノワール展よりもずっと見たい作品が多い展覧会で、正直なところ東京都と近県の方が羨ましいです。

まだ冬の装いの高野山町石道

NHK大河ドラマ「真田丸」で盛り上げている九度山から高野山まで町石道(ちょういしみち)を歩いて来ました。このコースに危険なところはなく、長距離ではありますが純粋に山歩きを楽しめました。特に出だしの紀ノ川を一望できる柿畑はとても気持ちが良かったです。

高野山は弘法大師が開いた信仰の山です。そのため町石道は、初詣として歩きたいと考えていました。しかしこのコースは、コースガイドでの歩行時間が6時間半な上にスタート地点の九度山駅までの移動に時間がかかりスタートをあまり早くできないので、日の短い冬の間は避けていました。やっと3月に入り日もだいぶ長くなったので、早起きをしてほぼ始発の電車に乗って歩いて来ました。

町石道は高野山への参道ですので危険なところはなく、山の中を歩いているだけで満足してしまう私にはとても楽しいコースでした。特に前半の柿畑の中を歩く部分はずっと舗装道で山歩きではありませんが、とても眺めがよく慈尊院から展望台まで往復するだけでもちょっとしたハイキング気分を味わえます。

またこの他に高野山七口1と呼ばれるいくつものコースがあるので、それらも歩いてみたいものです。

景色と発見

町石(まちいし)

町石は、高野山金堂から何町離れているかを示す石柱で、丹生官省符神社の石段にある180番石まで約109m毎に置かれています。また金堂から反対側の奥の院に向かっても町石が置かれています。

高野山金堂まで180町であることを示す町石(180番石)。この町石は、丹生官省符神社への石段脇にあります。
高野山金堂まで180町であることを示す町石(180番石)。この町石は、丹生官省符神社への石段脇にあります。
最後の町石1地番石。ゴールの金堂はすぐそこです。
最後の町石1地番石。ゴールの金堂はすぐそこです。

昔はそれぞれの町石のところで拝みながら登ったそうです。この話を聞いて、チベット仏教の五体投地をしながら巡礼する姿を思い浮かびました。

紀ノ川を見下ろす町石。
紀ノ川を見下ろす町石。
町石。
町石。
町石道と町石。
町石道と町石。
町石。
町石。

たまに町石と並んで石柱が建てられている事がありますが、これは里石という慈尊院から一里毎に置かれている石柱だそうです。

冬と春

3月に入るとだいぶ春らしくなったのですが、この日は寒の戻りでかなり冷えました。紀見峠辺りから外は霜で白くなっており、九度山に着いたら吐く息が白くなるほどでした。

歩き始めても日陰には霜が残り、日陰のヒメオドリコソウには霜が付いていました。

霜が降りたヒメオドリコソウ。この日は吐く息が白くなるほどの冷え込みでした。
霜が降りたヒメオドリコソウ。この日は吐く息が白くなるほどの冷え込みでした。

しかし日当たりの良い柿畑に出るとすっかり霜は融けて、ホトケノザが花を咲かせていました。

ホトケノザ。
ホトケノザ。

この辺りではウグイスも鳴いていて、快晴の天気と合わさってとてものんびりした気分になってしまいました。

また傘木峠手前の湿地にはネコヤナギが花を咲かせていました。

ネコヤナギの花。
ネコヤナギの花。

椿

町石道の初め、柿畑の辺りでは春の野草であるヒメオドリコソウやホトケノザが咲いていましたが、まだまだ花は少ない季節です。

そんな中で椿の花が所々に現れて目を楽しませてくれました。

九度山の道の駅に咲いていた大輪の椿。
九度山の道の駅に咲いていた大輪の椿。
椿の落花に飾られた丹生官省符神社の石段。
椿の落花に飾られた丹生官省符神社の石段。
矢立に咲いていた椿。多数の花が付いていてとても見事でした。
矢立に咲いていた椿。多数の花が付いていてとても見事でした。

ホウノキ

矢立を過ぎて歩いていたら、ホウノキの葉がたくさん落ちていました。

ホオノキの落ち葉。私の足よりずっと大きい。
ホオノキの落ち葉。私の足よりずっと大きい。

ふと思ったのですが、パッと見た感じだと裏が上になって落ちている葉が多い気がします。

10円玉の表と裏が出る確率が半々なのと同じく、確率的には葉も表と裏が半々のはずです。しかし裏が多いと感じるのは葉の裏側は表に比べて白く目立つからでしょうか? それとも葉の形に影響されて本当に裏が上になるように落ちる確率が高いのでしょうか?

この疑問、小学生の自由研究のテーマにいかがでしょうか?

厄除けかな?

金剛峯寺の門にヒイラギと里芋の串刺しが刺してありました。

金剛峯寺の門にはヒイラギと里芋の串刺しが飾られていました。何かのおまじない・厄除けなのでしょうか?
金剛峯寺の門にはヒイラギと里芋の串刺しが飾られていました。何かのおまじない・厄除けなのでしょうか?

節分にヒイラギとイワシの頭を厄除けととして飾る風習がありますが、お寺なので精進料理と同じく動物を嫌って里芋をイワシに見立てているのでしょうか?

そう思ってみると、里芋が焼かれているような気もします。

この推測を確認するためにググってみると、やはり高野山では節分にヒイラギと里芋を厄除けとして飾るようです2

皆さんのご家庭では厄除けの為、
イワシの頭とヒイラギの葉を戸口に挿すかと思いますが、
ここ高野山ではイワシではなく、
里芋を焼きイワシの頭に見立て、
戸口に挿します。高野山ならではです。
おにわはーそと!!ふくわーうち!! – こうやくん日記より引用

コウヤマキ(高野槙)

コウヤマキは、庭木や垣根によく使われるマキ(イヌマキ)よりも葉が細くて長いマキです。

高野山では、お墓や仏壇に花の代わりまたは花と一緒に高野槇をお供えするそうです。

コウヤマキ。
コウヤマキ。

実際にお供えにするコウヤマキは畑で栽培されているのでしょうが、所々に大きなコウヤマキを見ることができます。

おみやげ(ミカン)

町石道の紀ノ川がよく見渡せる展望台から少し登った所に温州みかんミカンの無人販売がありました。一袋100円なので、おみやげにと買ってみました。

柿畑の中の無人販売所。ミカン一袋100円。
柿畑の中の無人販売所。ミカン一袋100円。

また、この少し先にも別の無人販売があり、こちらは「せとか」など他の品種も売っていました。まだ歩き始めで荷物を増やしたくなかったので、こちらは見送りました。

ただこのミカン、皮がシワシワで正直見てくれがよくありません。

無人販売所で購入したミカン。シワシワで見てくれは良くないが、とても甘くて美味しかったです。
無人販売所で購入したミカン。シワシワで見てくれは良くないが、とても甘くて美味しかったです。

100円だし、まあ良いかと思ったのですが食べてみてびっくり。一番いい時期のミカンのように皮と袋がしっかりとくっついていて、酸味が全くなくとても甘いミカンでした。

結局高野山に付くまで休憩のたびに食べて、下山時にはこの4つしか残っていませんでした。こんなことならもう一袋買っておくんだったと後悔しています。

この季節はミカンでしたが、秋にはもちろん柿が並べられています。ただ柿は皮をむいて食べないといけないので、その場で簡単に食べられるミカンの方が嬉しいです。

おみやげ(草大福)

もうひとつのおみやげは、草大福です。大門のバス停向かいに餅屋さん(南峰堂)があり、酒まんじゅう、焼き餅、草大福などを売っています。どれも一つ120円だったかな。

この草大福は、原材料がもち米、もち粉、砂糖、よもぎ、小豆のみと超シンプルです。甘さもワタシ好みな感じで、家で作ったような小豆の味がしっかりする粒あんでした。消費期限は3日間ということでしたが、4日目でもまだ柔らかいままでした。

もし大門から下るならば、これを行動食にするのがオススメです。

高野山にニホンカモシカ?

今回のハイキングで一番驚いたのは、野生のニホンカモシカを見たことです。今一つ自信はないのですが、ニホンカモシカだと思います。

ケーブルカーの高野山駅にバスで向かう途中、女人堂を過ぎてバス専用道路に入ってしばらくしたところで道端に灰色っぽい体毛をした生き物がいました。それを見て私の認識部位が出した結果はニホンカモシカでした。

この辺だと鈴鹿山脈に生息しているのは知っていましたが、高野山にいるとは全く思ってもいませんでした。しかしネットを検索すると、どうも高野山にもニホンカモシカが生息しているらしいです。

もう帰るだけだからとカメラをしまっていたのは失敗でした。やっぱりいつシャッターチャンスがあるかわからないので、常に撮影できるように用意しておくべきだと痛感しました。

ルートと注意点

2016-3-12
九度山駅(7:35-7:52)→慈尊院(8:20-8:30)→展望台(9:21-9:31)→六本杉峠(10:54)→古峠(11:12)→二ツ鳥居(11:16-11:31)→地蔵堂(11:49)→傘木峠(12:35)→矢立(13:28-13:32)→大門(15:36-15:47)→金堂(16:07-16:13)→金剛峯寺(16:39)
距離と時間
20.4km 約9時間(休憩を含む)
トイレ
九度山駅、丹生官省符神社から少し行った池、地蔵堂、矢立、大門(高野山山上には多数)。

注意点

このコースには、危険な場所はありません。また道標も整備されているので道も分かりにくいところはありませんでした。

一応滑り止めにチェーンスパイクを持って行きましたが、途中に凍結箇所はありませんでした。

またクマの目撃情報があるそうです。

ただ距離が長いので朝早くに出発する必要があります。そこで全てを歩くのではなく、紀伊細川駅から矢立に出て、そこから町石道を高野山まで歩く短縮コースもあります3

ルート案内

九度山駅の改札出たらトイレ脇の階段を下るか右の車道を進み、歩道橋を渡ります。交通量の多い道で歩道が片側にしかないので、この歩道橋を渡って右側を進まないと交通事故に会います。

高野山を源流とする丹生川と紀ノ川の合流点から望む大阪と和歌山県境の山並み。
高野山を源流とする丹生川と紀ノ川の合流点から望む大阪と和歌山県境の山並み。

道なりに進み交番を過ぎた先の橋を渡って道の駅の方に進みます。道の駅を過ぎると体育館(武道館)があるのでその北側の道に入り、道なりに進むと慈尊院の前に出ます。

慈尊院にお参りしたら高野山を目指して町石道を進みます。この先は要所毎に道標があり、町石もあるので道から外れることはないと思います。最初の町石(180番石)は、丹生官省符神社への石段の途中にあります。

慈尊院の多宝塔と丹生官省符神社への石段。ここから高野山町石道が始まります。
慈尊院の多宝塔と丹生官省符神社への石段。ここから高野山町石道が始まります。

ウグイスの鳴き声を聞きながら道標に従い坂道をどんどん登って行くと橋本市街と紀ノ川を見下ろせる高台に出ます。さらに少し進むと町石道から少し外れた展望台があります。

この展望台はとても見晴らしが良く、紀ノ川の上流側の東吉野の山々まで見えました。その右(南東)を見るとこれから目的地の高野山も見えます。

展望台から望む橋本市街と紀ノ川の上流側。ずっと奥に尖った山が見えましたが、高見山かもしれません。
展望台から望む橋本市街と紀ノ川の上流側。ずっと奥に尖った山が見えましたが、高見山かもしれません。
展望台付近からの遠景。右奥の山が高野山です。
展望台付近からの遠景。右奥の山が高野山です。

町石道に戻り柿畑の中をさらに登っていきます。雨引山の麓で林の中に入るまでは、見晴らしが良い上に途中にミカンの無人販売があったり梅畑があったりで、ついつい寄り道をしてしまいかなりの時間を食ってしまいがちです。

梅畑。
梅畑。

銭壺石を過ぎると石のごろつく歩きにくい道になり、一度平らな部分を挟んでさらに六本杉峠まで露岩の登りが続きます。この部分は雨が降ると道が川になりそうです。

六本杉峠はちょっとした広場になっているので休憩に向いています。

六本杉峠からは、登ってきた道をUターンするような方向に進みます。まっすぐ進んでしまうと丹生都比売神社の方に行ってしまいます。

六本杉峠から30分ほど進むと鳥居が左右に並んだ二ツ鳥居に着きます。ここには東屋があり、丹生都比売神社の方向がみはらせます。

二ツ鳥居。ここから丹生都比売神社のある里山を見晴らせます。
二ツ鳥居。ここから丹生都比売神社のある里山を見晴らせます。

二ツ鳥居からはゴルフ場まで下りが続き、ゴルフ場から少し進むと地蔵堂があります。ここも芝の広場になっており休憩に向いています。

さらに進むとまたゴルフ場が近くなり、湿地を抜けると上古沢駅から登ってきた道と合流する傘木峠に着きます。この辺りに町石90番石があり、半分まで来たことになります。

傘木峠から少しの区間露岩の上り坂になります。

ほほ平らな道を進み左側に車道が見えると矢立はもうすぐです。この辺りからは、これから登る高野山の山が見えます。

高野山は、この山の裏側。ここまで来れば矢立はすぐですが、まだ全体の2/3です。
高野山は、この山の裏側。ここまで来れば矢立はすぐですが、まだ全体の2/3です。

矢立には60番石があります。結構歩いた気がしますが、まだ全体の2/3です。この後登りが車道を渡る40番石まで続くので、名物の焼き餅を食べながらしっかり休憩します。

車道を渡って展望のある東屋まで登りが続きますが、ここを下ると登ってはいるものの道がぐっと平坦になります。それに合わせて杉の大木が目立つようになり高野山が近いことを感じられます。

杉の大木。矢立を過ぎると杉の大木が目立つようになります。
杉の大木。矢立を過ぎると杉の大木が目立つようになります。

13番石から最後の登りが大門まで続きます。それほど急登ではないのですが、だいぶ歩いた後なのでかなりきつく感じました。大門のT字路に温度が表示されていましたが、この日は6.4℃となっていました。

高野山の大門。山歩きはここまでです。後は山内の平らな舗装道を歩くだけです。
高野山の大門。山歩きはここまでです。後は山内の平らな舗装道を歩くだけです。

大門に着いたらバス停向かいの餅屋さんでおみやげを買って、ゴールの金堂まで車道を進みます。

高野山の金堂。
高野山の金堂。

最後に金剛峯寺にもお参りしておきました。

せっかくなので金剛峰寺もお参りしてから帰ります。
せっかくなので金剛峰寺もお参りしてから帰ります。

大門側のバス路線は、奥の院側に比べて本数が多くありません。そのためちょうど良いバスがないときには、さらに少し歩いて消防署前にある奥の院側の千手院橋バス停を使ったほうが便利です。

費用

項目 金額 メモ
電車 960円 JR大阪駅から新今宮乗り換えで九度山駅
電車 1440円 高野山駅から新今宮乗り換えでJR大阪駅
ケーブルカーを含む
バス 290円 千手院橋から高野山駅
ミカン 100円 無人販売
草大福 1200円 10個入り
賽銭    
合計 3990円  

高野山までの電車とバス(乗り放題)がセットになった切符があるので、それを使ったほうが安かったかもしれません。

高野山のバスはスルットKANSAIを使用できますが、イコカなどのICカードは使用できませんでした。

金剛峯寺から帰るときは、少し歩いて奥の院側の千手院橋からバスに乗ったほうが本数がたくさんあります。千手院橋には、大門側と奥の院側の二ヶ所乗り場があることに注意が必要です。

ゴミ採集ゲーム

ゴミ採集ゲームの結果は、12点採集して「役なし」でした。

ゴミ採集ゲームの結果。12点採集して「役なし」でした。
ゴミ採集ゲームの結果。12点採集して「役なし」でした。

距離の割にゴミが少なかったのは、高野山への参拝路なのでゴミを落とさないように皆さん気をつけているのでしょうか。

参照と脚注

四葉のクローバーの科学的な探し方

四つ葉のクローバーが見つかる確率はだいたい1/10000です。これを科学的に効率よく探すには、ぐるっと見回して「あれ?」と違和感を感じる所を探します。
四つ葉のクローバーは突然変異で、普通は葉の数が4枚以上にならないように抑えている遺伝子が壊れた結果です。

春になると公園や河川敷にでかけてのんびりする機会が増えます。そんな場所には大抵クローバーが生えていて、つい四つ葉のクローバーがないかと探してしまいます。四つ葉のクローバーを見つけると幸運が訪れるという話を信じているわけではありませんが、やっぱり珍しい物を見つけると嬉しくなりますよね。

先日YouTubeで「科学的に」四つ葉のクローバーの見つける話1をオススメされたので、どんな内容だったか紹介します。

四つ葉のクローバー

幸運を呼ぶ四つ葉のクローバーは、シロツメクサという種類です。この学名は Trifolium repens で、無理やり日本語で解釈すると「3つ葉のrepens」という意味です。三つ葉がトレードマークなので四つ葉が珍しいのです。

しかしクローバーには色々な種類があり、中には四つ葉が普通のクローバーもあるそうです。もし四つ葉のクローバーを埋め込んだアクセサリーを買うならば、これらの偽物四つ葉のクローバーを買ってしまわないように注意する必要して下さい。2

四つ葉のクローバが見つかる割合

四つ葉のクローバーが見つかる確率は約1/10000だそうです。面積にすると大体1.1m四方(1.2m^2)に一つ四つ葉のクローバーが見つかる確率です。でも平均なので、1.1m四方をシラミ潰しに探しても見つからないことも良くありそうです。ほぼ確実に見つけるには、一畳分くらいの範囲を探す覚悟が必要です。

しかしせっかくの休日に、そこまで真剣になって探したくないですね。もっと効率的に探す方法はないのでしょうか?

科学的に四つ葉のクローバーを探す

四つ葉のクローバーを見つけるエキスパート(そんな人がいるんだ)はどうやって探しているかというと、ぐるっと周りを見渡して「あれ?」となった場所を探すのだそうです。こんな方法は、ぜんぜん科学的ではないように思えますね。でも、実はこの方法が科学的で効率的な方法なのです。

レントゲン科の医師がガンなどの異常を見つけるときには、一枚のX線画像を端から端まで細かく検討しているのではなく、何枚もの画像を次々に見ていき気になる画像をまずピックアップしていきます。一枚の画像を見る時間はたったの0.2秒ほどだそうです。

こんな短時間見るだけでは見落としが結構ありそうに思えます。確かに新人の医師なら見落としもありそうですが、人の認識力とはすごいもので慣れればチラッと見るだけでなにかおかしいと異常に気づけることが心理学の研究で証明されています。

X線画像ではなくても、花や木の名前を覚えると、それまで気にも止めなかったその花や木が注意していなくとも目に付くようになったという経験がありませんか? これも同じことです。

X線画像ではありませんが、私の経験でも同じようなことがありました。毎日多数のサンプルを調べていても最初は全く異常を見つけられませんでした。しかし最初の一つ探している異常を見つけると、同じものを簡単に次々と見つけられるようになりました。

そこで四つ葉のクローバーを探す時も、最初はそんなのは無理と思えるかもしれませんが、ダメ元な気持ちでクローバーが生えている所を見回して見て下さい。そしてまず一つ四つ葉のクローバーを見つけます。すると次からは四つ葉のクローバーをもっとずっと簡単に見つけられるようになります。

科学的に四つ葉のクローバーを作る

「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」ではありませんが、四つ葉のクローバーが見つからなければ作ってしまうことができます。

四つ葉のクローバーができるのは、突然変異によるものだそうです。2010年にジュージア大学のTashiroらが四つ葉のクローバーに関連する遺伝子座を決定しました3。具体的にどのような分子なのかは分かっていませんが、正常な状態では葉の数が三枚より増えないようにしています。そのためこの遺伝子に突然変異が起こると葉の数が増えて四つ葉(またはそれ以上)になるのだそうです。

遺伝子の異常なので次の世代に受け継がせることができ、上手いこと受粉させると四つ葉がたくさん見つかる株を作り出すことも可能です。四つ葉のクローバーを一つ見つけると、その近くを探すと他にも四つ葉のクローバーを見つけられるという話を聞いたことがあります。これは、このような四つ葉がたんく見つかる株が自然にできた結果なのかもしれません。

ちなみに葉の数が最も多いクローバーのギネス世界記録は56葉のクローバーで、Shigeo Obaraさんという日本の研究者が見つけたものです4。ただ写真を見ると、四つ葉の上位版というより何本もの茎がくっついたような感じで、より幸運に巡り会えそうという感じではありません。

シロツメグサの変異

シロツメグサには色々な変異が見つかっています5。四つ葉のクローバーになる変異の他には、花の色が赤いもの、葉に白くVの字が入っているもの、葉に赤い模様が入っているものなどがあります。それらの変異体の写真は、White Clover Geneticsで見ることができます。

しかしシロツメグサは、小さくて雄しべと雌しべが花弁で隠されているので掛けあわせて遺伝子座を決めるのはかなりの根気が必要そうです。

参照と脚注

モネ展(京都市立美術館)

モネ展(京都市立博物館)は、久しぶりに手放しにオススメできる展覧会でした。「睡蓮」の池に関する新しい発見があり、「印象、日の出」の色が印刷物と全く違うことに驚きました。同時開催だた山岳写真展もかっこいい写真ばかりで、山旅に行きたくなりました。

3月1日に京都市立美術館で始まったモネ展を見に行ってきました。この日の京都はとても寒くて、朝は日陰や屋根に雪が残っていました。

生け垣に残る雪。道は乾いていましたが、屋根にも雪が積もっていました。
生け垣に残る雪。道は乾いていましたが、屋根にも雪が積もっていました。

印象派の巨匠モネの展覧会ということで長蛇の列を覚悟しました。しかし平日で初日だったからか全く並ぶこと無く入館でき、館内も特に混雑なくゆったりと見て回ることができました。

モネ展

絵画の展覧会は、目玉となる作品が広告ポスターに使われるので、大抵その絵以上の作品に出会えることはありません。しかし今回のモネ展はポスターに使われた「睡蓮」(No. 63)や展示替えとなる「印象、日の出」(No. 1)1の他にも「おおっ!」となる作品がたくさんありました。

京都市立美術館。
京都市立美術館。

以下作品の感想メモ。

家族の肖像

モネは風景がが有名ですが、肖像画も結構描いています。家族の肖像画として息子たちの肖像画がありましたが、「ジャン・モネの肖像」(No. 9)が一番好きです。

若き日のモネ

このコーナは、全く知らなかったモネの世界でした。少年時代には風刺画を書いて既に地元で有名になっていたこと、その絵を売ったお金で油絵を始めたことは全く知りませんでした。

地元では有名だったと言っても、ほとんど無名の少年の作品が残っているのには驚きます。

モティーフの狩人

日本の浮世絵の影響を受けているということですが、黒い背景の「海辺のカミーユ」(No. 7)が浮世絵みたいだと思うのは意識しすぎでしょうか?

カミーユといえば、「トゥルーヴィルの海辺にて」(No. 6)ががモネの絵とは知りませんでした。それに縞のドレスを着た女性は双子なんだと思っていましたが、二人共カミーユなんですね。

ここでの一番のお気に入りは「ポリーの肖像」(No. 56)です。田舎の気の良いおじさんという感じがとても伝わってきます。

「クルーズ川の渓谷、夕暮れの効果」(No. 60)は、どう見ても保津峡の夕暮れですね。影になった山肌と、まだ日がさして照らされる尾根の木の対比が良かったです。

印象、日の出

「印象、日の出」(No. 1)は、こんな感じの絵だったかな? 照明のせいなのか反射した光ではなく、透過光を見ているようでした。印刷された絵と実物では色の感じ・輝きが異なり、実物のほうがずっときれいなことは良くあります。しかしこの作品はそれ以上に違っていました。まるで壁に最新の高細密ディスプレイが埋め込まれているのではないかと疑ってしまうほどです。

睡蓮と花

最初にポスターに使われた「睡蓮」(No. 63)を見た時にはそれほどとは思わなかったのですが、次の部屋の睡蓮などを見た後に戻ってきて再度見ると透明感が感じられてとても良かったです。

モネの睡蓮の池は、写真で見たイメージで緑色に濁った水だと思っていました。しかし「睡蓮」(No. 63)を見ると、池の水は透明なんですね。柳が写っているところは空の反射が抑えられ、睡蓮の葉の影が底に写っているのがわかりました。池のイメージがこの絵で全く変わりました。

「睡蓮」(No. 70)の睡蓮の花にスポットライトがあたっている感じと、「睡蓮とアガパンサス」(No. 65)、荒いけど「アイリス」(No. 67)も気に入りました。

最晩年の作品

モネが白内障になってからの作品は、それまではあまり使われていない赤がこれでもかという感じに使われています。そのため、それまでの光を感じられるような清々しい感じが無くなってしまいあまり好きではありません。

最晩年の作品の部屋には、モネが使っていたパレット(No. 90)に並んでメガネ(No. 89)が展示されていました。モネは白内障の手術を受けた後見え方が変わって青い光が以前より強く感じられるようになったということです。そのためモネのメガネは、ディスプレイのブルーライトを防ぐメガネのように少し黄色がかったレンズが使われていました。

それで思ったのですが、もしかすると青が強く見えるというよりも赤に対するモネの感覚が弱くなって、結果として青が強く感じられると思っていたのではないでしょうか。そのため最晩年の作品は、今までと同じ色調のつもりでも赤が強くなっているのではないでしょうか。

ミュージアムショップ、おみやげ

モネ展とは関係ありませんが、ミュージアムショップでとても愉快な絵葉書を見つけました。角度によって見える絵が変わる絵葉書で、モナリザがウィンクするのがとても気に入りました。他には奥行きが付いて3Dに見えるのも面白かったです。

マルモッタン・モネ美術館

今回のモネ展は、パリのマルモッタン・モネ美術館2に収蔵されている作品群です。

このマルモッタン・モネ美術館は、ブローニュの森に近いパリの中心からほんの少し西の閑静な住宅街にある美術館です。ベルト・モリゾの作品も多く収蔵していて、それらも見どころの美術館です。

ルノワール展

この後3月19日からはルノワール展が京都市立美術館で始まります。モネ展とルノワール展の同時開催とはなんとも贅沢です。既にルノワール展の前売り券を買っているので、初日に行こうととても楽しみにしています。

偶然にも東京の国立新美術館でも4月からルノワール展が予定されています3。正直なところ、こちらの方が行ってみたいルノワール展です。関西にも巡回してこないかな。

山岳写真展

京都市立美術館の二階では、山岳写真展が開催されていました。さすがにどの写真も山の良さを引き出していて、見ていると山に行きたくなってしまいました。昨年は夏山にいけなかったので、余計に夏が楽しみになります。

山岳写真は、山の厳しさや雄大さをテーマにするジャンルだと思っていました。しかし展示を見ると、山を中心にしながらも花が添えられていたり、星空写真があったりもう少し対象が広いのだということを知りました。自分が普段ハイキングで撮っている写真も山岳写真と言えないこともないかなと思いました。

それと気がついたのは、山をドーンと中心にした山岳写真は雪山写真だということです。夏山の写真はだとしても、ほぼ必ず雪渓が写っていました。確かに雪がある方が山はかっこよく見えるということもありますが、コントラストができて写真になりやすいのでしょうか。

こんな写真を撮れたら良いなとは思いますが、そのために何時間も粘ったり同じ所に何度も通ってチャンスを狙うというのは私の性には合わないな。それなら行ったことのない場所を歩いてみたいと思ってしまいます。

白川沿いに

京都市立美術館へは、最寄り駅の地下鉄東山駅を出て東に進んで平安神宮からまっすぐ南に伸びる大きな道を行くのが一番わかりやすい道です。

でも、オススメは駅を出て最初の路地を入って白川沿いに行く道です。路地を入るとすぐに京都らしい昔ながらのという感じの餅屋さんがあたり、短い距離ですが川底が白砂の白川沿いを歩くのは、それだけでとてもワクワクさせられます。特に夏は川の流れを見るだけで涼しい気分になれます。

今回白川沿いを歩いていたら、椿が川沿いに植えられているのを見つけました。その椿から落ちた花が川に落ちた姿がなんとも風流でした。なんと言うことのない風景も風流にしてしまう「京都マジック」ですね。

ツバキの落花。
ツバキの落花。

参照と脚注

  1. 「印象、日の出」(No. 1)は、3月21日までの展示です。3月22日からは、「テュイルリー公園」(No. 2)に掛け替えられます。

  2. Marmottan Monet museum

  3. ルノワール展 – 国立新美術館

福寿草を見に神戸市立森林植物園へ

森林植物園の福寿草は良い感じに咲いていました。またマンサクもちょうど見頃で、ソシンロウバイの甘い香りも楽しめました。ただ梅は洞川梅林ともにまだ少し早く、もう一週間くらい先のほうが良かったようです。

景色と発見

神戸市立森林植物園で福寿草が咲いているとのニュースを聞いたので、行ってみることにしました。また市街地の梅はもう終盤ですが、標高が高い洞川梅林はまだ少し早いかと思いながら帰り道ついでに様子を見に行ってきました。

森林植物園までは、新神戸からだと二時間で行けます。それも半分は舗装された道で、山歩きは1時間程度の非常にお手軽なコースです。これでは面白くないので、遠回りをして長峰山からシェール道を通って向かうことにしました。

ドングリの芽生え

長峰山への急な登りの終わりは、神戸市外を見渡せる笹原になっています。ここは北からの風が遮られて、反対側から下って来る時にほっと一息つくのに良い場所です。

ここでふと脇を見ると、ドングリが芽を出していました。マテバシイの芽でしょうか。

ドングリの芽生え。
ドングリの芽生え。

あの硬い殻を割って芽を出すってすごいなという驚きと共に、ドングリの中に大豆などと同じく二枚の子葉が入っていることを確認しました。双子葉植物ですね。

この厚い子葉の養分を使ってしばらく根を伸ばした後に栄養を作る葉を出すのですが、根を出す胚の部分は、ドングリの尖った先端にあるのでしょうか?それとも平らな方にあるのか?それを知らないことに気が付きました。今度甘栗を食べるときに気をつけて観察してみます。

角の生えた幹

シェール道を歩いていると表面がボコボコした木が生えていました。表面が盛り上がっているよ言うよりむしろ角のように尖っています。刺というほどではありませんが、ぶつかりたくない木です。

木の幹に角のようなコブがたくさん。
木の幹に角のようなコブがたくさん。

なんの木なんでしょう? 角のような盛り上がりは下の方だけで、木の上の方にはこのような突起はありませんでした。

落葉しないヤマコウバシ

秋になって紅葉すると、冬には葉を落とします。しかしヤマコウバシはいつまで経っても落葉しません。そのためにこの季節ほとんどの木が落葉した中でしっかりと葉をつけているのでヤマコウバシはとても目立ちます。

ヤマコウバシ。
ヤマコウバシ。

もう光合成をしないのに何で葉を落とさないのか不思議です。また夏以降に枯れ葉と緑の葉が同居する木を見かけないので、きっとどこかで葉を落としているはずです。その入れ替わりがどのように行われるのも気になります。

オリエンテーリング大会

森林植物園に着くと、遊歩道でない斜面から人が転げるように降りてきたのにびっくりしました。他にも普段は静かな園内を走っている人が何人もいました。よく見ると胸にゼッケンを付けて手には地図とコンパスを持っていました。オレンジと白のポストもあったので、植物園内でオリエンテーリング大会をしていたようです。

宝探しのように地図を読んで隠されたポストを見つけて回るのは楽しそうですね。山道を走るトレランとすごく近い競技な気がするので、トレランをしている人は参加してみると面白いと思います。ただハイキングな私は、あんなに汗かいて走りたくないかな。

神戸市立森林植物園

森林植物園の木々はまだ葉を落としたままで、芽吹きの季節までまだ時間がかかりそうでした。それでも天津の森1は花が咲いて、近づいただけで良い香りがしていました。

マンサクの花。
マンサクの花。

マンサクの花は、リボンのような花びらが特徴的です。チアのポンポンみたいで可愛い花ですね。

ソシンロウバイ。
ソシンロウバイ。

そして良い香りの主は、このソシンロウバイ。思わず鼻を近づけて思い切り香りを嗅いでみたくなります。

森林植物園に植えられているロウバイには、このソシンロウバイと普通のロウバイの二種類あります。見分け方のポイントは、花の中心の色です。ソシンロウバイは花の中心も黄色いのに対して、ロウバイは花の中心が赤くなります。また花が咲く時期も違っています。まずロウバイが2月上旬に咲いて、少し遅れてソシンロウバイが咲きます。そのためロウバイは、まだ良い香りがしますが既に花の見頃は過ぎていました。

ロウバイは、この天津の森の他に、ウサギの国の脇にも植えられています。こちらはロウバイだけでソシンロウバイは見当たりませんでした。

白梅。
白梅。

森林植物園の梅は見頃にはまだ少し早かったようです。

フクジュソウ。
フクジュソウ。

今回一番の目的である福寿草は、正面入口に近いロックガーデンに植えられています。

福寿草は、昼間暖かくなると花が開き、夕方寒くなるとまた花を閉じてしまいます。そのため遠回りをしてお昼頃に森林植物園に着くようにして正解でした。何株もの福寿草が黄色い花を開いていました。

カエルの卵

ウサギの国脇の池は、冬でも水が無くならないようにか、凍結しないようにか大きなタライを埋めて水深が深くしてあります。

この水たまりを覗くとカエルの卵がありました。

アカガエルの卵塊。
アカガエルの卵塊。

卵が互いにくっついてボール状になっているのはアカガエルの卵です。

ここには二種類のアカガエル(ヤマアカガエルとニホンアカガエル)が生息していると案内看板がありました。ヤマアカガエルとニホンアカガエルでは、卵のみっちりくっつき度合いが違うそうですが、どちらのアカガエルか見分けるのは難しそうでした。

ヒキガエル(別名ガマガエル)の卵。
ヒキガエル(別名ガマガエル)の卵。

こちらは、ヒキガエル(別名ガマガエル)の卵です。これはヒモ状に長くつながった特徴的な卵ですぐにわかります。

先日アカハライモリを見つけたので、今度はその卵を探してみようと思います。

鈴なりな松ぼっくり

森林植物園から洞川湖への途中には、不思議な松の樹が生えています。

鈴なりの松ぼっくり。
鈴なりの松ぼっくり。

松笠の形は普通の松と同じような気がするのですが、その付いている数が普通ではありません。たわわに実ったという形容がぴったりです。そおいう種類の松なのでしょうか?

洞川梅林

洞川湖の南にある梅林にも寄ってみました。しかしまだ少し早くて2,3分咲きというところでした。梅の花は満開よりも少し手前のまだ蕾が残っていることのほうが風情があって好きなので、見頃はあと一週間くらい先だったでしょうか。

洞川梅林の梅。
洞川梅林の梅。
梅。
梅。

梅の幹にウメノキゴケが生えていました。この苔は大気汚染に敏感で指標植物として使われます2。そのウメノキゴケが生えているということは、空気が比較的きれいだということですね。

シーズン初のスミレ

市ケ原の布引ダムへの取水口の所で、このシーズン最初のスミレを見つけました。スミレの種類は分かりませんが、数輪咲いていました。

今年最初のスミレ。
今年最初のスミレ。

まもなく3月。3月になると気温が上昇し始めて本格的な春もすぐそこです。

ルートと注意点

主な目的は森林植物園の福寿草を見ることでしたが、それだけではつまらないので体力的に少しハードな登りを加えてみました。また福寿草は昼間暖かくなってから花を開くので、時間調整の意味もあります。

このコースは、最初にきつい登りがありますが、技術的に難しかったり危険なところは特にありません。しいて危険箇所を挙げるならば、長峰山の尾根部分は狭い部分があることと、シェール道の飛び石でしょうか。

2016-2-28
篠原本町2丁目バス停(8:09)→長峰山(9:42-9:54)→杣谷峠(10:25)→穂高湖(10:31)→シェール道→桜谷出合(11:27)→神戸市立森林植物園東口への分岐(11:55)→神戸市立森林植物園→神戸市立森林植物園西口(13:50)→洞川梅林(14:17-14:48)→市ケ原(15:27)→布引ダム(15:46)→新神戸駅(16:09)
距離と時間
15.9km 約8時間(休憩を含む)
トイレ
杣谷峠、森林植物園、再度公園、市ケ原。

長峰山へは、篠原本町2丁目バス停から川沿いに少し登って、最初の橋の所から西に入って道なりに坂を登っていきます。少し進んでお墓の十字路を越えると激登りが始まり、伯母野の登山口まで延々とこの登りが続きます。この登山口にはヒマラヤスギがあるので、季節になるとシダーローズを見つけられると思います。

伯母野の登山口からは、平らな道をしばらく東に進み、送電線の鉄塔の所からまた登りが始まります。砂防ダムを超えてしばらく登ると見通しが良い斜面に出て、送電線の鉄塔の所に来ると急な登りももうすぐ終わりです。

激登りが終わり南側が開けた所に出ると、小さい登り下りを何度か繰り返し長峰山の天狗塚に着きます。コースから少し外れて岩の上に立つと、摩耶山や芦屋・大阪の方まで一望できます。岩の上は広いので、休憩に良い場所です。

長峰山の天狗塚から見た摩耶山。霞がかかっていて、あまり見通しがよくありませんでした。
長峰山の天狗塚から見た摩耶山。霞がかかっていて、あまり見通しがよくありませんでした。

天狗塚を過ぎるとすぐに大きく下ってまた登り返し、後は尾根道を杣谷峠に向かいます。

穂高湖からは、湖畔の東側周回路を周ってダムの下に出て、林道をしばらく進んでシェール道に入ります。シェール道は川沿いの道で、途中何度か飛び石で川を渡ります。

穂高湖畔から見たシェール槍。今回はシェール槍には登らずに、まっすぐシェール道に下りました。
穂高湖畔から見たシェール槍。今回はシェール槍には登らずに、まっすぐシェール道に下りました。
シェール道の飛び石。明るい落葉樹の林に風化した花崗岩の白砂がきれいです。
シェール道の飛び石。明るい落葉樹の林に風化した花崗岩の白砂がきれいです。
シェール道の飛び石。シェール道は、トエンティクロスよりも楽しいコースです。
シェール道の飛び石。シェール道は、トエンティクロスよりも楽しいコースです。
夏ならば流れの中をジャブシャブ歩きたくなるような流れ。ハイキングコースは、この流れを横切るだけです。
夏ならば流れの中をジャブシャブ歩きたくなるような流れ。ハイキングコースは、この流れを横切るだけです。

トエンティクロスから摩耶山へ登る場合には桜谷を登る人が多いかと思いますが、少し行程が長くなりますがこのシェール道を登って行くことをオススメします。飛び石があったり広葉樹の林を抜けたり、トエンティクロス以上に川沿い道の楽しさを感じられます。

桜谷出合からは、緩やかで日当たりの良い道を森林植物園の向かいます。森林植物園の東入口のところは川原になっているので、ロックバランシングをしながらお昼を食べるのに良い場所です。

森林植物園の料金所は、この季節無人ですので、備え付けの料金箱に入園料を入れて入園します。この機会に年間無料パスのトリコロールカード3を買おうという人は、正面入口まで行く必要があります。ちなみに西門はお金を入れると回るバー式なので、無人期間にトリコロールカードで入園するにはインターフォンで係の人を呼んで入れてもらう必要がります。

梅やマンサクの植えられている天津の森へは、長谷池に着いてすぐの坂道を登ってシアトルの森を抜けていくのが近道です。

天津の森には、梅やマンサクだけでなくロウバイも植えられています。ロウバイは、ウサギの国脇にも植えられていますが、天津の森は普通のロウバイに加えてソシンロウバイも植えられています。今回ロウバイは盛りを過ぎていましたが、ソシンロウバイはまだしばらくその良い香りを楽しめそうでした。

福寿草は、正面入り口のロックガーデンに植えられています。少し前の季節にはセツブンソウも見られるそうです。冬の初めは、シモバシラ4もオススメです。

帰りは、洞川梅林を目指しました。森林植物園の西門から出て、道沿いに少し南に下ってから教育の森への道に入ります。洞川湖に出たら、一旦東に進んで川を渡って対岸の道を湖の南端まで進みます。そこで橋を渡って向かいの坂を登ると洞川梅林に出ます。

洞川梅林からさらに南に進むと再度公園へ出ます。この部分は、ハイキングコース脇の崩落防止工事のため2016年3月10日から翌月の4月15日まで通行止めになるそうです。迂回するには、西側の鍋蓋山からのコースか、東側のコースを使う必要があります。

再度公園北の仙人谷コースは、工事による通行止めが予定されています。
再度公園北の仙人谷コースは、工事による通行止めが予定されています。

再度公園から市ケ原までは、修法ヶ原池からの川沿いに蛇ケ谷を下るコースを選択しました。再度公園入口の車道の三叉路下のトンネルをくぐることを間違えなければ、後は道沿いに市ケ原まで下っていくだけです。

費用

項目 金額 メモ
バス 210円 三ノ宮から篠原本町2丁目
合計 210円  

今回は三ノ宮からバスを使いましたが、阪急六甲駅からバス停まで歩いても15分くらいだと思います。

森林植物園は有料(300円)ですが、年間無料パスのトリコロールカード3があるので無料で入園しました。

ゴミ採集ゲーム

19点採集して「役なし」でした。

ゴミ採集ゲームの結果。
ゴミ採集ゲームの結果。

参照と脚注

  1. 天津の森はシアトルの森とブリスベーンの森の間、地図上のC3にあります。神戸市立植物園 園内マップ

  2. ウメノキゴケは、二酸化硫黄が0.02ppm以上では生えにくいということです。神奈川県における植物を活用した大気汚染診断

  3. トリコロールカードは、神戸市立森林植物園だけでなく、須磨離宮公園と相楽園でも使用できます。“超お得”3園共通年間フリーパスポート「トリコロールカード」販売中 2

  4. シモバシラの霜柱とロウバイ・森林植物園