「北風と太陽」の六甲山
期待していた六甲山の樹氷は見られませんでしたが、日陰に雪が残っていて雪を踏むギュッギュッという感触を楽しめました。またカスケードバレーでは予想外の氷瀑を見ることができました。
この日、沖縄で雪が降るかもという強烈な寒波がやって来ました。そこで六甲山でも雪や樹氷が見られるかと期待して六甲山へ登ってきました。
しかし樹氷は全く見られませんでした。水筒の水も凍るほどだったので気温は十分低かったのでしょうが、樹氷の元となる水分が不足していたようです。朝六甲山の山頂付近に全く雲がなかったのは、こおいうことだったのですね。
景色と発見
樹氷はすぐに無くなってしまうので、最短で六甲山に登れる有馬温泉からスタートしました。そして六甲全山縦走路を西に進んで、穂高湖の所からカスケードバレーで下山しました。
有馬温泉の源泉
有馬温泉の源泉は何ヶ所かあるようですが、有馬温泉の「金の湯」から昔の雰囲気を残すみやげ物屋街を抜けた裏手にも一つ源泉があります。寒くなると源泉から漏れる湯気が白くなって、温泉という雰囲気がより一層強くなります。
源泉は柵で囲まれていますが、手前の設備(?)には手が届き温泉の熱さを感じることができます。と言ってもずっと触っていられない温度なので、手を出すときは火傷に十分注意してください。
六甲山からの見晴らし最高
六甲山最高峰への道からはこの日も大阪平野と北側がとても良く見えました。
生駒山から大和葛城山や金剛山などのダイアモンドトレイルの山々だけでなく、その奥にある奈良県東部の山まで見えました。さらに南(右)に目を向けると大阪湾の出口にある島まで見えました。
ガーデンテラス側に下ったところからは、北から北西の方角がよく見えます。
山の名前は分かりませんが、雪をかぶっているのか山頂付近が白くなっている山が遠くに見えました。どこの山なんでしょうね。
北風と太陽
この日は非常に強い寒気に覆われていたので山の上は、分かっていたとは言えすごい寒さでした。冬用の厚い手袋をしていたのですが、それでも指の先が冷えて痛くなるほどでした。
このくらいの寒さになると水筒の水も凍ってしまいます。
水筒を取り出すときになんかシャラシャラ音がすると思ったら、こんな状況でした。
こんな気温が低い日でしたが、南斜面は風が遮られて日の光で寒さが嘘のように和らぎ、ほっと一息つけ「北風と太陽」の話を思い出さずにはいられませんでした。
氷
凍っていたのは水筒の水だけではありませんでした。
三国池もすっかり凍っていました。
それだけではなくカスケードバレーを下っていると、飛び跳ねた水滴が玉のような氷を作っていました。水しぶきがかかったことろが全体的に凍るのではなく、玉が連なったように凍っていたのがとても不思議でした。金平糖ができるときのように何か氷の核になるものがあって、それが段々と成長するとこうなるのでしょうか。
またこれもカスケードバレーですが、細い流れがたくさんの氷柱を作って見事な氷瀑になっていました。
六甲山の氷爆というと紅葉谷の七曲滝や百間滝が有名ですが、こんなところで凍った滝を見られるとは思ってもいませんでした。
この氷瀑は初めて見た気がするので、もしかするとこの季節にカスケードバレーを歩いたのは初めてかもしれません。それとも今回の強烈な寒波のせいで、普段わ凍らない流れが凍ったのでしょうか。
楽しい雪道歩き
六甲山最高峰からガーデンテラスまでの日陰には、雪がほんのちょっぴり積もっていました。積雪は 1cm か 2cm といったところでしょうか。
いつ降った雪なのか分かりませんが、踏み固められたりせずにまだサラサラとした雪のままでした。そのため雪を踏むたびにギュッギュッというという音と感触を楽しめ、歩くたびについ頬が緩んでしまいます。
期待していた樹氷は残念な結果でしたが、六甲山でも雪が降るのは年に数えるほどなので予想外の雪に出会えてとってもラッキーでした。
キジ
ラッキーといえば、六甲山ゴルフ場でキジを見つけました。ただハイキングコースからだいぶ距離がある所にいたので未確認生物のような写真になってしまいました。
六甲山ホテル
約 100 年前、大阪から神戸一帯が急速に近代化して阪神間モダニズム(注 1)と呼ばれる文化が花開きました。六甲山上には、ケーブル駅など当時の近代化遺産がいくつも残っています。
その一つが六甲山ホテルの旧館です。
この旧館が老朽化のために取り壊される(注 2)とのことです。できれば保存しておいて欲しいのでしが、お金がかかることなので簡単ではないようです。そのままではなくとも、外観のみ残すとかいろいろ検討して欲しいです。
ルートと注意点
- 2016-1-24
- 有馬温泉駅(8:27)→ 有馬温泉(魚屋道登山口)(8:43-8:55)→ 一軒茶屋(10:09)→ 六甲山最高峰(10:24)→ 極楽茶屋跡(11:14)→ 六甲ガーデンテラス(11:37)→ 六甲山記念碑台(12:09)→ 三国池(12:35)→ 杣谷峠(13:03-13:15)→ カスケードバレー → 杣谷登山口(14:42)→ 五毛バス停(三ノ宮方面)(14:53)
- 距離と時間
- 15.8km 約 6 時間半(休憩を含む)
- トイレ
- 有馬温泉駅、六甲山最高峰(2016 年 3 月末まで工事のため使用禁止、仮設トイレあり)、ガーデンテラス、記念碑台、杣谷峠(穂高湖入口)
有馬温泉から六甲山までは、芦屋川から六甲山へのコースで下りによく使われるコースです。そのため全体的になだらかで特別危険なところはありません。ただし六甲山の少し手前にいつも水が出ている場所があり、この季節はほぼコース幅いっぱいに凍結します。距離はとても短いのですが、不安があれば迷わず滑り止めを使用したほうが良いと思います。
凍結といえば、雪が降った後は六甲山最高峰への最後の坂道は踏み固められてアイスバーンになりやすいので注意が必要です。
六甲山最高峰からガーデンテラスまでは適度な登り下りを繰り返しながら気持ちよく歩ける部分です。春など気候がいい時期にガーデンテラスから最高峰の往復は、一番手軽でオススメできるコースです。この季節には樹氷が見られますが、その分冷たい北風が身にしみる部分でもあります。
極楽茶屋跡(紅葉谷への分岐)からガーデンテラスとガーデンテラスからから石切道への分岐までは、人がたくさん歩くので雪が踏み固められて氷になりやすいので注意が必要な場所です。
記念碑台先の六甲山ホテルから丁字ヶ辻までは、車が多いのに歩道がないので車との接触事故に注意が必要です。車の自動運転が実用化されたら、人の脇を通るときには速度を落とすようにしてもらいたいものです。
丁字ヶ辻から三国池も車道ですが、そのまま平らに歩道を進むコースと車の少ない北側の細い道を選択できます。歩道の方は大阪湾が眺められますが、私は北側の細い車道が静かで好きです。
三国池から市立自然の家までは、登りだとなかなか階段がきつい部分ですが、今回は下りなので問題ありません。
穂高湖入り口(杣谷峠)のトイレは、床が全面凍結していたので注意が必要です。狭いので頭を打ちそうで、外の凍結より危険かもしれません。
カスケードバレーは、階段で谷底まで下り、後は基本的に川沿いに下るコースです。何ヶ所か川を渡りますが、どこを渡るか少し判断を要求されます。そのうち一カ所下りだと川を渡る場所を見落として先に進んでしまいそうな場所があります。もちろん道標が立っていますし、今回行ったら山の通行止めマーク(不自然に木が横たわっている)ができていました。また大きな飛び石がないので、増水にも注意が必要です。
費用
項目 | 金額 | メモ |
---|---|---|
電車 | 930 円 | 三宮から新神戸経由で有馬温泉 |
バス | 210 円 | 五毛から三宮 |
合計 | 1140 円 |
歩き始めにおみやげを買うことを躊躇してしまい、いつも有馬温泉で炭酸フレーク(注 3)を買っておくんだったと後悔している気がします。
ゴミ採集ゲーム
14 点採集して「役なし」でした。
参照と脚注
- 阪神間モダニズム – ウィキペディア
- 六甲山ホテルの旧館閉館へ 近代化遺産、老朽化激しく – 神戸新聞
- 炭酸フレークは、炭酸せんべいを作るときのバリ(型からはみ出した部分)を集めたものです。特に焦げているということもなく味は炭酸せんべいと全く同じです。廃棄物みたいなものなのでお土産にはできませんが、家で食べるにはこれで十分です。値段は、一袋 150 円くらいです。