ニリンソウの金剛山からカタクリの葛城山へ

目次

ニリンソウを見に金剛山のカトラ谷へ行ってきました。ニリンソウはまだ咲き始めという感じでしたが、それでも見事な花畑になっていました。帰りは葛城山まで縦走してカタクリを見てきましたが、カタクリの方はもうほとんど終わっていました。金剛山から葛城山へ縦走して、ダイヤモンドトレールが階段地獄だということを再認識しました。

桜の花が終わると山は新緑の季節となり、ハイキングのベストシーズンになります。そうすると色々な所からハイキングに行った話が耳に入ることが多くなります。

そんな中、ニリンソウの花畑で有名なカトラ谷から金剛山に登ってきたという話を聞きました。その時はまだニリンソウは開花前だったそうですが、もうすぐ咲きそうだということでした。例年ですと 5 月の連休の頃に満開ということですので、今年は少し早いのでしょうか?

そこで金剛山のニリンソウと、お隣の葛城山へカタクリを見に行ってきました。

カトラ谷は「山と高原地図」では破線の難路となっておりちょっと怖いところもありましたが、ニリンソウの花畑はとても見事でした。だいぶ咲いていはいましたが、それでも満開はゴールデンウィークの前半ということろでしょうか。

カタクリは、残念ながらもうほとんど終わりでした。それでも探すと綺麗なカタクリを見ることができました。カタクリの見頃には、一週間くらい遅かったようです。

ちなみに葛城山といえばツツジが有名です。下の方ではツツジが少し咲き始めていましたが、全体的にはまだまだ固い蕾でした。こちらの見頃は連休後半かその次の週ぐらいでしょうか。それでも自然研究路の新緑がとても気持ちいいので、ゴールデンウィークのハイキングに葛城山はオススメです。

景色と発見

京都の大文字火床を見に行って以来二週間ぶりのハイキングですが、この間に春本番となり色々な花が咲いていました。写真を撮りまくりで、予定よりもだいぶ時間がかかってしまいました。

ニリンソウ

今回のハイキングの目的の一つがニリンソウを見ることです。カトラ谷の花畑は有名ですが、こんなにも大きなニリンソウの花畑を作っているとは思ってもいませんでした。

ニリンソウ。 ニリンソウ。

たくさんニリンソウが咲き過ぎてどう写真を撮ったらよいか分からなくなってしまいました。

ニリンソウ。

ニリンソウは、一つの株から二輪咲くことが多いのでこの名前が付いたということです。しかしまだ一輪だけ咲いていたり全く咲いていない株も多いので、満開の時期はもう少し先だったようです。

カタクリ

もう一つの目的はカタクリの花を見ることです。もっとも 4 月半ばを過ぎているので、こちらは見頃を過ぎているはずで見られればラッキーというつもりでした。

カタクリ。

確かにほとんどの花が傷んでいてもうほぼ終わりでした。しかし気をつけて見て回ると見頃の株がまだあり、群生しているところもありました。

カタクリの群生。 カタクリの群生。

嬉しくなって地面に這いつくばって写真を何枚も撮ってしまいました。たぶん何やってるんだろう?と傍から見られていたと思います。

ペアのカタクリ。

カタクリは種から開花するまで 7,8 年かかるということですが、その後はどのくらいの年数咲くのでしょう? もし何年も咲くのなら、年数によって花の大きさが違ったりするのでしょうか? 疑問です。

ツツジ

葛城山はツツジの山として有名です。満開の頃には、山頂へのロープウェイは数時間待ちになるのが普通です。しかし見頃の季節はまだ先で、山頂のツツジは硬い蕾でした。

しかし水越峠からの登山道沿いの標高が低いところでは、少しだけツツジが咲いていました。

ツツジ。 ツツジ。標高の低いところではツツジが少し咲いていました。

ミツバツツジの明るい紫色の花も綺麗ですが、新緑の緑にはヤマツツジの赤い花がとても良く映えます。

杉の林

意外と綺麗だったのが杉です。日当たりの悪い林の中で、光が杉の葉にだけ射した緑がなんとも言えず綺麗でした。

輝く杉の葉。

また上を見上げると隣の木とは触れ合わないような距離を保って葉を広げる様子が、光を奪い合う生存競争が行われているはずなのに不思議な光景です。

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絶対自分では気が付けない花

山には自分では気づいていないだけで珍しい花はたくさん咲いています。しかし気をつけてみているつもりでも、ほとんどの花を見過ごしてしまいます。

そんな珍しい花などを見つける一番簡単な方法は、写真を撮っている人を見つけることです。漁師さんが鳥山を目印に魚の群れを見付けるように、写真を撮っている人の所に行けばきっと何か面白いものがあります。

今回も何を撮っているのかなと近づいてみると、小さな花の写真を撮っていました。

サイゴクサバノオ。 サイゴクサバノオ。

その花はとても小さな花で、サイゴクサバノオという珍しい花なのだそうです。全く目立たない花なので、絶対に自分では気がつけなかったです。この花の仲間でトウゴクサバノオという花があって、それも金剛山には咲いている事を教えてもらいました。

この方は俳優の中村珠緒さんのような雰囲気の方で、そこで一旦別れて先に行かれたのですが、カンオアイが咲いているとわざわざ戻ってきて教えてくれました。

カンアオイは、名前のようにもっと寒い時期に咲く花だと思っていたので、この時期に咲いているとは思いもしませんでした。

カンアオイ。

その他ヤマトグサが咲いているかもなど色々と教えてもらいました。ヤマトグサは見たことが無いので気にして歩いたのですが、残念ながら見つけられませんでした。六甲山には咲いていないのかな?

その他の花

その他にも色々な花が咲いていました。

ヤマエンゴサク?それともジロボウエンゴサク?

これは花が付いている茎の所の葉の形からヤマエンゴサクだと思うのですが、ジロボウエンゴサクの可能性を否定できません。どこで見分けるんだろう?

しかしずっとエンゴグサだと思っていたのですが、エンゴサクなんですね。

エイザンスミレかな。

見かけ方が難しいといえばスミレも種類がたくさんあって見分けがつきません。でもこのスミレは葉が特徴的でギザギザなのでエイザンスミレだと思います。断定できないのは、ヒゴスミレという同じように葉が裂けた種があるので。

エンレイソウ。

エンレイソウは、大きな三枚の葉の真ん中にチョコンと茶色い花が付いているのですぐにわかります。ただ花が地味ですね。この咲き方は、高山植物のキヌガサソウに似ています。

ミヤマカタバミ? 葉と花の形からカタバミの仲間なのは間違いないけど。

葉と花の形からカタバミなのは分かるのですが、白い花のカタバミは初めて見ました。図鑑からミヤマカタバミでないかと推測しました。

ヨゴレネコノメ。

ヨゴレネコノメって、ちょっとあんまりな名前なです。ネコノメソウは真ん中が黄色いのに対して、このヨゴレネコノメは真ん中が茶色いから「汚れ」と名前が付いたのでしょうか。

カキドオシ。

花の形からひと目でシソ科だとわかります。実際葉をちぎると良い香りがしました。

ルートと注意点

2016-4-23
金剛山登山口バス停(8:37-8:51)→ カトラ谷出合(9:27)→ 金剛山・山頂広場(11:18)→ 一ノ鳥居(11:39)→ 水越峠(13:25-13:40)→ 葛城山つつじ園(14:41-15:01)→ 自然研究路 → 北尾根登山道 → 葛城山ロープウェイ・葛城登山口駅(16:41)→ 近鉄御所駅(17:38)
距離と時間
16.7km 約 9 時間(休憩を含む)
トイレ
金剛山登山口バス停の少し先、登山口の駐車場、金剛山山頂広場、葛城山の白樺食堂脇、葛城山ロープウェイ・葛城登山口駅、近鉄御所駅。

注意点

  • カトラ谷には、崖をトラバースしてハシゴを登る少し危険な箇所がありました。また同じ所に出る分岐道が多く、それを知らずどれを行くか少し迷いました。
  • 水越峠から葛城山までは、ほぼ完全に丸太階段になっています。それも割りと段差が大きめで、膝と太ももに負担がかかります。
  • 葛城山から下る北尾根登山道は、救助マーク「ウ」から最後までザレた滑りやすい急坂でした。

ルート案内

金剛山の登山口は、金剛山登山口のバス停から少し戻った橋の手前にあります。登山口の車道を登って行くと水場のある分岐に突き当たるので、千早本道と分かれて左に進みます。

さらに車道を進むと車止めのある橋の所に出ます。今回は「山と高原地図」に従って橋を渡って林道を進みましたが、橋を渡らずに川沿いを進んでも同じ所に出られるようです。

林道を登って行くと、正面に砂防ダムがあり林道は右にカーブする所に出ます。ここから林道を少し登ると、カトラ谷への分岐があります。最初の砂防ダムまでは林道で、その先から山道になります。山道を進むとすぐに滝があります。

DSC_0138 ブナの若葉。

カトラ谷は分岐がいくつもありますが、どれも最後は合流するようです。基本的に川沿いに谷を進みます。そして道でなくガレた沢を登るようになると、ニリンソウが目に付くようになります。

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谷の出合は左に進み、少し登ると崖をトラバースする細い危険箇所とハシゴがあります。この危険個所を越えるとニリンソウがぐっと増えて、すぐに花畑となります。

ニリンソウの花畑。

花畑を過ぎると急な階段の登りとなります。この階段を登り切ると、金剛山の山頂広場は直ぐです。

山頂広場を抜けてお寺脇のコンクリート道を進むと神社があります。神社を過ぎると道は下りとなり鳥居があります。鳥居のところからは、尾根に沿ってダイヤモンドトレールを北に進みます。

葛城山の遠景。手前の尾根に隠れた鞍まで下って登り返す。 植林の中の水平道。階段地獄の間にあるつかの間の楽園。

東側の長めの良い所に出ると、尾根を外れて西に下ります。下る途中で林道と交差する場所がありますが、丸木階段を下ります。東屋が見えたら、ガンドガコバ林道は直ぐです。

橋を渡ってガンドガコバ林道に出たら、北に向かって水越峠まで林道を下っていきます。下り始めてすぐの所に金剛の水があります。

ガンドガコバ林道にある金剛の水。

その先には途中はニリンソウがたくさん咲いているところがありました。

ニリンソウの群落。 ガンドガコバ林道の新緑。林道沿いは新緑の季節を迎えていました。

葛城山への登山道は、水越峠の車道を少し東側に登った所にあります。ここから葛城山までは、最初石畳や石の階段ですが、その後は丸木階段が最後まで続きます。両側が笹薮になった辺りが半分くらいの位置だと思います。登り切った所にパラグライダーのスタート場所があり、東側の眺めが開けています。

パラグライダーの発射場から見た奈良県側の眺め。夜景が綺麗そう。

少し下るとつつじ園の一番谷側に出ます。葛城山へは、直進してさらに階段を登るか、遠回りになりますが左に進んでツツジの中の歩きやすい道を選べます。新緑の季節であれば、右に分かれて「野鳥の森」を行くのもオススメです。

葛城山から眺めた金剛山。気の早いツツジがちょっとだけ咲いていましたが、ほとんどのツツジはまだまだ固い蕾でした。

白樺食堂の先でダイヤモンドトレールと別れて、ロープウェイ駅に向かって下ります。半分くらい進んだ所に自然観察路の入り口があります。自然観察路を下って行くと、カタクリの群生地があります。また自然観察路を下って行って、最初の分岐を登り返して進んだ先にもカタクリの群生があります。

自然観察路を進んで谷底に着いたら、観察路を離れて北尾根登山道を目指します。川沿いに下り、登り返すと北尾根登山道と合流します。合流地点には、遭難時の位置通報記号「ク」の看板があります。この記号は、ロープウェイの登山口駅に近い「ア」から始まっています。

しばらくは歩きやすい道ですが、「オ」から展望台を越えた「ウ」まで急な下りが続きます。さらにその先は、下の道に出るまでザレて滑りやすい急坂が続きます。

ロープウェイ駅からは、細い車道を川沿いに下っていきます。老人福祉センターを過ぎ変形十字路(猿谷橋)に出たら、広いバス道を下ります。後は多少曲がりはありますが道なりにまっすぐ進むと近鉄御所駅のある十字路に出ます。

費用

項目 金額 メモ
JR 1420円 三ノ宮から天王寺の往復
近鉄 440円 大阪阿部野橋から富田林
バス 540円 富田林から金剛山登山口
近鉄 620円 近鉄御所から大阪阿部野橋
アイス 130円
合計 3150円

三ノ宮と大阪間は昼特きっぷを使用したので、実際には片道 460 円ですみました。内訳は、三ノ宮と大阪間は昼特きっぷが一枚あたり 270 円で、大阪と天王寺間は 190 円です。

大阪阿部野橋から河内長野行に乗りましたが、後ろ二両は途中の古市まででした。乗り換え時間は十分ありますが、前の車両に乗っておいた方が便利です。

富田林の改札は列車の後ろ側にありました。この着いたホームの改札を出た所に金剛山行きのバス停があります。

富田林から金剛山登山口までのバスは、イコカやピタパが使用できません。金剛山登山口へは、河内長野駅からもバス路線があります。

今回は使用しませんでしたが、葛城ロープウェウイ前から近鉄御所までのバス料金は 290 円と書いてありました。

ゴミ採集ゲーム

ゴミ採集ゲームの結果は、23 点採集してペアが一つでした。葛城山を下るところでかなり採集できました。やっぱり歩く人の数と相関がありますね。

ゴミ採集ゲームの結果。23点採集してペアが一つだけでした。

参照と脚注

富田林駅のバス路線情報