カメラをつれて山歩へ行こう!
カメラをつれて山歩へ行こう! (ISBN: 978-4774151007)
山の写真と聞いて私が浮かべる絵は、岩と雪の世界や陰影によって表される山の険しさや荘厳さです。そのような写真を見ると、山ってかっこいい、登るならやっぱり岩山か雪山だなと思います。先日京都市立美術館で見た山岳写真展がまさにそのような写真がほとんどで、モネ展に劣らずじっくりと見てしまいました。
しかし私が写真に撮りたいのは、山を歩いている途中で見つけた「きれい!」や「おもしろい」と思った風景です。それに歩くほうが写真よりも優先なので、じっくりシャッターチャンスを待って決定的な瞬間をものにするような撮り方とは相性がよくありません。スナップ写真のような感じで次々と目に入ったものを撮影するほうが合っているように思います。
写真は、風景やポートレイトとジャンルに分かれており、山の写真は大きく分けて風景写真に分類されます。私が撮りたいのは風景だけでなく人物も含まれるので、旅写真(travel photo)に分類されると思います。山雑誌で言うと、Hutte(注1)やランドネに載っているような写真でしょうか。
そこで山寄りの旅写真を撮る人向けのガイド本がないかと思って本屋さんの写真コーナーを見ていた時に見つけたのが、「カメラをつれて山歩へ行こう!」です。山歩きからだと思いますが、「山歩」(さんぽ)という呼び方がゆるい感じで良いですね。
初心者向けで、人物や風景、動植物と対象毎の撮影するときのコツや注意点が浅くはありますが一通りカバーされていす。ただ写真の初心者向けとは言っても、絞りとシャッター速度の関係がどうとかいう話は一切無しで、もっと実践的に単刀直入に分かりやすく説明してあります。
それと山で良く見かける花や鳥の簡素な図鑑があるのは、山の初心者には嬉しいかと思います。載っている花や鳥の数は非常に少ないのですが、よく見かける花や鳥でまず最初に覚えるにはこのくらいの数の方が良いと思います。
関連書
- 山と写真(ISBN: 978-4408453880)
- 山岳写真術(ISBN: 978-4777919819)
- 雑誌Hutteは、最近見かけませんが休刊になったのでしょうか?